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民泊で旅館業を始めるときに必要な書類はなに?

民泊を始めようとしたときに、一般的なやり方だと年間180日しか運営できない180日制限に引っかかってしまいます。しかし、旅館業の簡易宿所を取得すると365日常に運営可能です。非常に魅力的な旅館業での運営ですが、届け出が非常に難しいのが現状です。

今回はこれか旅館業法の簡易宿所の許可を取って運営していこうと考えている方に向けて、申請までの流れや揃えるべき必要書類についてお話ししていきます。

1. 簡易宿所(旅館業)とはそもそも何か?

旅館業法に基づく許可の種類はいくつかありますが、民泊の営業を行う場合は、「簡易宿所営業」で許可を取ります。

簡易宿所は冒頭にも述べた通り、365日1泊からでも運営可能な民泊の形態です。簡易宿所営業の許可を取得するためには、いくつかの基準を満たす必要があります。その条件の一覧を下の表に記しています。

1 客室の延床面積は33平方メートル(宿泊者の数を10人未満とする場合には、3.3平方メートルに当該宿泊者の数を乗じて得た面積)以上であること
2 階層式寝台を有する場合には、上段と下段の間隔は、おおむね1メートル以上であること
3 適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること
4 当該施設に近接して公衆浴場があるなど入浴に支障をきたさないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる規模の入浴設備を有すること
5 宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること
6 適当な数の便所を有すること
7 その他、都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合すること

(厚生労働省が提供する『民泊サービスを始める皆様へ ~簡易宿所営業の許可取得の手引き~』より)

これらの基準を満たすために、それぞれ必要書類を準備していくことになります。

2. 簡易宿所営業の許可を取るには?

「簡易宿所」の許可を取るためには、基本的に保健所とやり取りを行います。営業許可を取るまでの流れは各自治体や提供する宿泊施設の形態によって異なりますが、大きな流れは以下の通りです。

1. 事前相談を行う

2. 保健所への許可申請

3. 民泊として提供する施設の検査

2-1. まずは事前相談から

簡易宿所の届け出は、各自治体の保健所が窓口になりますが、保健所に行けばすぐに申請できるわけではありません。申請前に、必ず各自治体の保健所・建築審査課・消防署で確認しなければなりません。

以前は保健所のみで完結していましたが、建物の構造や使途、消防設備の不備等の人的被害による重大事故を機に、違法建築ではないこと、消防設備の設置・避難が確保されることを事前に確認することが義務づけられました。

事前相談では施設の平面図を持参し、それをもとに設計内容について建築基準法への適合状況とともに確認します。民泊に使用する建物がマンションの場合、マンション管理規約について確認を求められることもあります。

2-2. 保健所へ許可申請

事前相談で確認を済ませたら、いよいよ許可申請です。申請にあたっては、原則として申請書、施設の図面、その他自治体が条例などで定める必要書類を所定の手数料と合わせて提出します。必要書類は自治体によって異なりますが、あまり大きくは変わりません。下は東京都に申請する場合の必要書類です。

① 旅館業営業許可申請書(施設・構造設備の概要)

② 申告書(旅館業法第3条第2項に該当することの有無)

③ 見取り図(半径300メートル以内の住宅、道路、学校などが記載されたもの)

④ 配置図、各階平面図、正面図、側面図

⑤ 配管図(客室等にガス設備を設ける場合)

⑥ 定款又は寄附行為の写し(法人の場合)

⑦ 登記事項証明書(法人の場合)※6ヶ月以内に発行されたもの(原本)

⑧ 申請手数料16,500円

また、下の表の中の1つでも該当項目がある場合は許可が下りないことがありますので、ご注意ください。

① 施設が構造設備基準を満たしていない

② 申請者が次の1~3に該当する

  1. 旅館業法に違反、または旅館業法に基づく処分に違反して刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなった日から起算して3年を経過していない場合
  2. 旅館業法第8条の規定により許可を取り消され、取消の日から起算して3年を経過していない場合
  3. 申請者が法人であって、その業務を行う役員に1または2に該当する者がいる場合

③ 施設の設置場所が公衆衛生上不適当

④ 施設の設置場所が以下の施設の敷地の周囲おおむね 100mの区域内にあり、その設置によって清純な施設環境が著しく害されるおそれがある

  1. 学校(幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、高等専門学校など)
  2. 幼保連携型認定こども園
  3. 児童福祉施設(助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、児童厚生施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センターなど)
  4. 社会教育に関する施設(公民館、図書館、博物館など)で都道府県等の条例で定めるもの

2-3. 民泊として使用する施設の検査

民泊を行う施設が構造設備基準を満たしているかどうかを確認するために、保健所職員による立ち入り検査が行われます。

主な検査項目は、以下の通りです。

・客室床面積

・玄関帳簿(フロント)

・入浴設備

・換気等

・その他条例で定める構造設備の基準に適合すること

構造設備基準以外にも建築基準法や消防法などとも照らし合わせて確認します。ただ大抵の場合、事前相談の時点で必要な設備は整えているはずなので、ここで却下されることはないことが多いです。

3. 旅館業(簡易宿所)の許可を取ったら?

申請した時の書類と実物に相違がないことが確認されると、許可証の申請を行います。申請から許可が下りるまでの期間は数週間程度です。

営業を開始したら、なんでもやり放題かと言うとそうではありません。寝具の交換や浴室の清掃、近隣へのゴミ出しなど、適切な衛生管理が義務づけられています。衛生管理に関しては、自治体が定める条例に従うことになります。

また、民泊の運営者には宿泊者の氏名や住所等を記載した「宿泊者名簿」を備えることが義務づけられています。宿泊者が外国人の場合、パスポートのコピーの保存と適切な管理が必要となってきます。

特に個人で旅館業を取得した場合に多いのですが、上記のようなルールを無視して運営することはお勧めしません。というのも大阪府の場合、年に1回必ず府の職員が適切な運営がなされているかどうかを確認しに来ます。

この時に適切な運営でないと判断されてしまうと、100万円以下の罰金や営業許可取り消しなど、今まで費やしてきた資産がゼロになってしまいます。ですから営業許可が取れたから終わりではなく、きちんとした運営を行うことが重要です。

4. まとめ

通常の民泊とは違い、旅館業で取る簡易宿所では年中制限なく運営できるため、非常に利益率が高いです。その一方で、今回お話した通り、様々な制限や必要書類、設備を整える必要があるため、そう簡単には許可を取ることができません。

行政書士さんの話によると、申請しようと決意してから許可が下りるまで、早くてもだいたい3ヶ月くらいはかかるとのことです。また今回紹介したものの他にも、各地域の条例により、さらに必要な書類が増える可能性もあるため、十分に検討した上で申請してみてはいかがでしょうか?